公認会計士試験のおすすめ選択科目

まず、統計学と経済学は、難しい上に他科目とのシナジーはほぼ0です。すでにこれらについて相当な知識を持っている受験生はこれらを取ることにより学習時間を節約できるのでいいと思いますが、それ以外の場合取るべきではないです。

そうすると、経営学と民法が残ります。これらは、一長一短だと思います。

経営学は、実は民法(会計士試験は財産法のみ)を超える膨大な範囲を持つと考えてもいいです。条文がないので、範囲が確定されないからです。例えば経営戦略論ひとつとっても、ポーターから現在にいたるまでとんでもない量の研究がされているわけで、出題の選択肢は無限大です。投資理論のところも、「マルチファクター・モデル」と出題範囲でさらっとひとまとめにされてますが、これCAPMに尾がついたようなものから数学的にハンパないことになってるものまでいっぱいあるんですけど…というかんじです。

とはいえ、訳のわかんないのが出たとしてもどうせみんなできないので、基本的に予備校で教わったものをやればいいわけで、この場合そんなに大変ではありません。ただし、予備校によって一番内容が違う科目なので、その予備校で扱ったところが出るかによって運命が決まってしまうという怖さもあります。

経営学は、管理会計とのシナジーが非常に大きいです。特に管理の講義で「これは経営学でやってね」と流されて、民法を選択してたりすると、人によっては一番苦手なゴードン・モデルらへんを独学しなければならなくなる可能性があります(さすがにそんなことは起きないとは思いますが…)。

民法は、範囲が明確でなにを勉強すればいいかも明確である、会計士試験で問われる内容は本当に超基礎的なところである、というメリットがあります。また、企業法のほとんどは会社法なので、シナジーが大きいです(ていうか、民法やらないで会社法やるって今考えると結構衝撃ですね)。

ただし、法律科目との相性がわるいと、法律科目が2つに増えて地獄をみることになります。例えば大学生で何の科目を選択するか迷っている方は、高校の時に数学と国語どっちが得意だったかによって、数学なら経営学、国語なら民法、と言うふうに判断してみるといい…かもしれません(経営学も半分は国語系ですが)。

どちらの科目も、先生がちゃんとしていないととんでもない講義を受ける可能性が大きい科目です(簿記と原価計算は、会計士試験合格者であれば、程度の差はあれ教えられると思います。財表、監査、租税も実務家ならそんなにひどいことにはならないでしょう)。自分が通う予備校の特性等も考慮して慎重に決めたいですね。

ちなみにちなみに、経営学で出る内容は、実務家としては超重要だと思います。受かることだけ考えたら、私の場合は民法のほうが良かったかも知れませんが、経営学を選択してよかったと今でも思っています。

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